今年の僕の目標は「掃除」と「整理整頓」です。

基本的にゆるい性格の僕ですが、
工場のトイレ掃除はもう4ヶ月目に突入しました。
さて、この「そうじ」というものですが、
やってみると出来そうでなかなか難しい。
幸田文さんの「父 こんなこと」で、
「そうじ」の「稽古」といっていたのが
なんとなく解る気がします。
ちなみにこの「稽古」という言葉、
「稽」には「とどまる」、「かんがえる」
という意味がありまして、
稽古は「いにしえの道を考える」「学習する」
ということになるそうです。
武道や茶道、華道で「練習」じゃなく
「稽古」が使われているのも納得しますね。
じゃあやはり、お掃除にも幸田露伴のような
お師匠さんが必要なのではないかと思います。
なにしろ「こういう状態がきれいである」
という見極めは大変難しい。
拭き掃除にしてみても一度拭いたらきれい
何ていう保証はどこにもなく、
大体の場合は水滴のまだらが汚く残ります。
で、師匠のいない僕は「正しい掃除の仕方」や
「美しい掃除完了品」というのを
文献を使って調べようとするのですが、
そういったものはほとんど見当たりません。
確かにお掃除や収納の特集は多くの雑誌の
定番ではありますが、そこにあるのは
「かんたん〜法」とか「〜でもできる〜」
みたいな手軽な方法と道具だけで、
「きっちりやること」は
どこも取り上げてくれてません。

これはやはり日本人にとって、
「習慣」や「お稽古ごと」であった「そうじ」が、
やりたくない、あるいは金にならない
「労働」だと考えられるようになったことに
原因があるように感じます。

でも一所懸命になって拭いたりとか、
こすったりとかしてみると
もうそんなことはどうでもよくなりました。
とりあえず「きれいに出来て、ちょっとうれしい自分」
「次はもっとうまく出来るんじゃないかという期待」
というところで満足しています。

実はいつか、
「趣味 そうじ」と書けたら
うれしいなあとも思っています。